ライトコインは2019年8月に半減期を迎えます。半減期とは、1ブロック当たりのマイニング報酬が半分になるタイミングのことで、ライトコインでは4年に1度に設定されています。2011年に開発されたライトコインの半減期は今回で2回目となり、1ブロック当たり25LTCだった報酬が、12.5LTCに半減されます。バイナンスリサーチではこのライトコインの半減期により起こりうる4つのシナリオを公開しました。
ライトコインのマイニング採算性は半減期による影響が大きい
ライトコインの取引量はビットコインと比べるととても少ないため、マイナーに支払われるマイニング報酬の大部分がブロック報酬からくるものです。さらに、ライトニングネットワークによる取引手数料の削減効果も相まって、ライトコインのマイニング採算性はブロック報酬の増減、すなわち半減期に大きな影響を受けると考えられます。
半減期がマイニング採算性に与える影響:4つのシナリオ
シナリオ1:価格が200%上昇
半減期によってマイニング報酬として与えられるTCが半分になるが、LTCの価格を2倍に押し上げることにより、収益率を維持しようとする。
シナリオ2:半減期前にハッシュレートが上昇
半減期により報酬が半分になる前にマイニングを行おうとするため、ハッシュレートが上昇する。
シナリオ:3:マイナーの減少で採算性が調整される
マイニング報酬が半減することで、ライトコインのマイナーはマイニングを辞めるかほかのコインのマイニングに移動するため、マイナーは減少しハッシュレートは下落する。これによりマイニングの競争率が下がるため、報酬は半分になるが報酬を獲得しやすくなる。また、マイニングによって供給されるLTCが少なくなるため、LTC自体の貴重性が高まり価格が上昇する。これらの要素によりLTCの価格は調整される。
一方で、マイナーの減少は、マイニングプールやASIC(マイニング専用機器)によるブロック承認の独占を招き、集権化を強めることになる。
シナリオ4:マイニング報酬の恒久的な低下
マイナーが獲得できるマイニング報酬は半減したままLTCの価格が上昇しなければ、マイニングの採算性は低下しつづける。
半減期によるライトコインの価格は?
2015年半減期の価格推移
1回目半減期となる2015年のLTC価格は、年始から5月初めまでは2ドルを下回る価格で安定していましたが、7月7日に7.0ドルまで上昇し、期日の8月25日以降は2.8ドルと、半減期前のほぼ2倍の価格を維持しています。半減期によるマイニング報酬半減に備えたLTC価格の押し上げが行われた形になっています。(バイナンスリサーチのシナリオ1に該当)
ハッシュレートも6月から上昇を開始し、価格と連動した形になりました。
2019年の価格推移
2019年のLTC価格は、年始付近で25ドルの底を打ち上昇に転じています。4月末時点で90ドルとすでに3.5倍の価格をつけています。
ハッシュレートも上昇し、4/15時点で過去最高値を記録しています。
このことから、2015年5月と同様の価格上昇が2019年1月から起こっていると見られます。5月以降も2015年と同様の動きをするのであれば、半減期によるマイニング報酬半減でも採算性を維持できる50ドル付近に落ち着くでしょう。それは、バイナンスリサーチのシナリオ1に該当します。一方ライトコインの価格が5ドルを大きく下回ることがあれば、マイニングハッシュレートとの妥当価格を模索し始めるシナリオ2や、ライトコインが見放されるシナリオ4になる可能性があります。