イーサリアムクラシック(ETC)の特徴を徹底解説|分散型の信念を貫いた本当のイーサリアム

イーサリアムクラシック(ETC)の特徴を徹底解説|分散型の信念を貫いた本当のイーサリアム

イーサリアムクラシックは、イーサリアムから分裂した通貨です。

IoT分野での利用を目指しており、イーサリウムから引き継いだスケーラビリティ性能を強化しています。

TheDAO事件において中央集権的な対策をとったイーサリアムに反発して誕生した通貨であり、分散型の信念を貫いた”本物のイーサリアム”とする見方もできます。

イーサリアムクラシックの基本情報・チャート

通貨単位ETC
創始者Igor Artamonov
発行上限なし
承認アルゴリズムPoW


イーサリアムクラシックの特徴

イーサリアムから分裂した通貨であるため、イーサリアムにある機能は基本イーサリアムクラシックにも実装されています。

スマートコントラクト

イーサリアムの特徴であるスマートコントラクトは、イーサリアムクラシックにも実装されています。スマートコントラクトとは、一言でいえば「契約の自動化」です。契約の締結には、承認する第三者が必要な場合が多く、時間的なロスや、承認手数料が必要以上にかかってしまいます。スマートコントラクトは、契約を行う2者の間に仲介役を置くことなく、確実に契約を結ぶことができます。スマートコントラクトは、ソースコードに書き込むことでさまざまな用途に対応でき、多くの契約を処理することができます。

Dappsプラットフォーム

スマートコントラクトを活用した例として、分散型アプリDappsを作ることができます。通貨のやり取りによってデータの所有権を移行する、といった内容のソースコードをアプリに組み込むことで自動化でき、多くの契約を処理することができます。
また、契約内容や各種データはブロックチェーン上に保存されることで、改ざんや中央管理者による仕様変更の心配がなくなるため、安心して使えるアプリケーションを開発できます。

サイドチェーン

イーサリアムクラシックでは、サイドチェーンの実装を予定しています。現在稼働中のメインチェーンと並行する形で形成されるサイドチェーンにより、メインチェーンの負担が減り、取引処理速度の向上が期待されています。

コンセンサスアルゴリズムPoW

イーサリアムはPoWからPoSへの移行が決定していますが、イーサリアムクラシックはPoWを継続していく予定です。

イーサリアムクラシックが力を入れる”IoT”とは

Internet of Things(ものとインターネット)は、モノをインターネットにつなぐことで、新たな価値を生み出します。モノ同士のネットワークを形成することで、情報を共有し、モノそれぞれが持っていた能力を向上させたり、新たな能力を付与することができます。

例えば、車は、位置情報と走行速度をサーバーに送信し、解析した渋滞情報を車同士で共有します。情報の共有により、移動手段という自動車本来の役割に、快適性を付与することができています。
また、居住者の体調を管理し、空調の温度調節から料理レシピまでをサポートするスマートハウスというものがあります。これは家電や住宅設備をネットワークでつなぎ、居住者の体調を共有するIoTです。

スマートハウスと車が情報を共有することができるようになればどのようなことが可能になるでしょうか。冷蔵庫の中身を共有し、快適な買い物ルートを選択してくれるようになるかもしれません。

IoTは、今まで考えらえれなかったモノ同士で情報を共有でき、幅広い分野で適用可能な最も注目れている技術です。

イーサリアムクラシックは、このIoTに力を入れており、ロードマップの最終目標に据えています。

イーサリアムクラシック誕生のきっかけ”TheDAO事件”

”クラシック”とは”古典的”という意味です。イーサリアムクラシックは、その名の通りイーサリアムの根本的な理念を継承している通貨といえます。取引時価総額2位であるイーサリアムから分裂し、自らが本物のイーサリアムと主張する原因となった出来事が”TheDAO事件”です。

TheDAO事件は、イーサリアムクラシック誕生の1か月前に起きた大規模なETH盗難事件です。

The DAOは、イーサリアムプラットフォームを利用するプロジェクトのひとつで、非中央集権の投資ファンドを構築するプロジェクトでした。その仕組みは、投資資金としてETHを集め独自通貨DAOを発行、集めたETHの投資先をDAO保有者が決めることで、投資先の意志決定を行うものでした。

TheDAOが発行したDAOは、TheDAO上でETHと交換し、別アドレスへ送金できますが、このシステムに脆弱性があり、ハッカーに狙われることになりました。

ハッカーは、不正にDAOをETHに交換し、別アドレスへ送金することで、約360万ETH(43億円相当)が、TheDAOから流出しました。これにより、TheDAOがプールしていたETHがなくなり、投資者が保有するDAOを交換できなくなりました。

このETH盗難事件に対して、イーサリアムコミュニティは、対策を講じます。

1つ目は、ETHが盗難される前の状態に戻し盗難をなかったことにする、です。ETHが盗難される以前のブロックまでさかのぼり、盗難にあわないブロックチェーンに分岐させることで、盗難にあったチェーンはイーサリアムとして認めず、分岐させたチェーンをイーサリアムのブロックチェーンとする案です。これは、DAO保有者が救われる対策でしたが、ブロックチェーンを公に改ざんするようなもので、仮想通貨全体の信頼を損ないかねませんでした。
2つ目は、そのまま何もせず、ハッカーにETHを明け渡すことです。非中央集権である仮想通貨の理念に従うことで、信頼は保たれますが、DAO保有者のETHは戻ってきません。

結局、イーサリアムコミュニティは、1つ目の、盗難にあう前の状態に戻し盗難をなかったことにする方を選びました。これによりイーサリアムはハードフォークし、盗難に合わないチェーンと、盗難にあったチェーンに分岐しました。

盗難に合わないチェーンは、イーサリアムコミュニティに正式なイーサリアムとして支持され何事もなかったように現在のイーサリアムとして存在しています。盗難にあったチェーンは、イーサリアムコミュニティの決定に反対した一部のコミュニティによりチェーンを伸ばし続けました。これがイーサリアムクラシックとなります。

イーサリアムクラシックは、TheDAO事件をきっかけに、イーサリアムの中央集権的な対応に反対し、分散型の理念を貫いた通貨といえます。

イーサリアムクラシックETCの評価とまとめ

イーサリアムクラシックが力を入れているIoTは、ライバルが多い分野でもあり、差別化にが重要です。

IoTに力を入れている通貨としてIOTAがあります。IOTAは、ブロックチェーンとは異なる美術を用いたTangleを採用しており、高速な処理速度が特徴です。セキュリティが高いといわれており、さらに手数料が無料であることから、少量の取引を大量に処理するIoTに特化した通貨です。

一方イーサリアムクラシックは、サイドチェーンで高速な取引を実現しようとしており、その有用性は、リスク(LISK)などで積極的に採用されていることから、期待できると思われます。

IOTAが採用しているTangleについては安定性に懐疑的な意見が多く、そもそもブロックチェーンではなく、マイニング報酬も発生しないネットワークにユーザーが参加することへのインセンティブがありません。ユーザー数=ネットワークの安定といえるので、IOTAが今後解決するべき課題といえます。

イーサリアムクラシックは、通貨として使われるための機能は十分備わっており、ユーザーの積極参加によって開発も進んでいくでしょう。取引時価総額ランキングではIOTAが上位ですが、今後逆転する可能性も十分あるでしょう。

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