ビットコインダイヤモンドは、ビットコインからハードフォークした通貨です。
なぜハードフォークしたのか、それはビットコインが使いづらくなったからです。
ビットコインは利用者と共に価格が上昇し、2017年末にはBTC1枚当たり約200万円を記録しましたが、通貨として使うには高価すぎる代物となってしまいました。
ビットコインダイヤモンドは、発行枚数を増やすことで一枚当たりの価格を下げ、性能を改善することで使いやすい通貨となることを目的としています。
ビットコインダイヤモンドBCD基本情報・チャート
通貨単位 | BCD |
CEO | 匿名 |
発行上限 | 2億1千BCD |
コンセンサスアルゴリズム | PoW(OPTIMIZE X13) |
ビットコインが使いずらい?
ビットコインは、2017年末に約200万円を記録しましたが、2019年現在は価格は40万円程度で安定しています。
通貨として40万円という価格が適正かどうかは、その用途によって判断が分かれますが、ビットコインの場合、一般店舗などで決済として利用されているところをみると、40万円は高すぎて支払いに使いずらいでしょう。
ビットコインには価格以前に、その取引能力の低さも問題視されていました。
誕生以降、ユーザーの流入に伴って取引量も増加してきたビットコインは、次第に取引処理が間に合わなくなり、送金詰まりを起こすようになりました。
性能がタスクの増減に対応できる程度のことをスケーラビリティといいますが、ビットコインにはユーザーの増加に対応できるスケーラビリティがありませんでした。
さらに、ビットコインにはマイニングの独占が顕在化しており、権力の集中化も問題でした。
特にマイニングに特化したASICの登場は、組織の大量マイニングを可能にし、分散されるべき承認権のバランスに偏りを生じさせました。
中央集権型である法定通貨に反発して誕生したビットコインにとって、承認権の集中化は回避されるべきです。
また、通貨として使いやすくなるためには、ある程度の匿名性が必要な場合もあります。
取引がすべて公開されるブロックチェーンでは、だれが何に支払ったかを推定することができます。
大きな金額を動かした取引が発生すれば、その取引をもとに個人を特定されたり、ハッキングの標的となったりする場合があります。
ビットコインダイヤモンドは、マイニングの分散化とスケーラビリティの向上、匿名性に加えて、使いやすい価格するために発行枚数を増やすハードフォークを行い誕生ししました。
過去のビットコインハードフォークにより生まれた通貨
ビットコインダイヤモンドは、ビットコインのハードフォークで誕生した3つ目の通貨で、以前のハードフォークによりビットコインキャッシュとビットコインゴールドが誕生しています。
ビットコインキャッシュ
ビットコインキャッシュは、2017年8月にビットコインのSegwit導入のハードフォークに反発して誕生しました。
segwitとは、取引を圧縮するして保存する取引量を増やす技術で、より多くの取引を保存することができます。
ビットコインはSegwit導入によりスケーラビリティを向上させようとしましたが、それに反発するメンバーがSegwitを導入しないビットコインとして、ビットコインキャッシュを作りました。
ビットコイキャッシュは、Segwitを導入しない代わりに、ブロックサイズを拡大し保存できる取引数を増やすことで、スケーラビリティを向上させています。
ビットコインゴールド
ビットコインゴールドは、ビットコインのマイニング分散を図るため、ASIC非対応のハッシュアルゴリズム「equihash」を搭載し。2017年10月に誕生しました。
しかし、2018年5月にequihash対応のマイニングツールが発表され、さらに同時期に51%攻撃による2重支払いの被害を受けるなど、期待された分散化ができていません。
その他ハードフォーク通貨
そのほかにもビットコインプライベート、スーパービットコインなどが誕生し話題になりました。
ビットコインダイヤモンドは使いやすい?
ビットコインダイヤモンドは、2017年11月24日にビットコインからハードフォークして誕生しました。ビットコインから変更された機能・性能を紹介します。
ブロックサイズ8MB
ブロックサイズは承認された取引を保存する領域のことで、サイズが大きいほど多くの取引を保存でき、処理できる取引数も多くなります。
ビットコインのブロックサイズは1MBだったのを8MBに拡大することで8倍の取引を処理することができるようなり、スケーラビリティ向上が見込まれます。
ハッシュアルゴリズムOPTIMIZE X13を採用
マイニングには、暗号化された取引を解読することが必要で、取引を暗号化するためのハッシュアルゴリズムがあります。
ビットコインはSHA-256というスタンダードなハッシュアルゴリズムが採用されており、そのためにASICの対応が早く、マイニングに偏りが生じています。
ビットコインダイヤモンドでは、「OPTIMIZE X13」を採用し、ASICによるマイニングを回避しています。
発行枚数2億1千枚
ビットコインダイヤモンドの発行枚数は2億1千枚、ビットコインの10倍です。
発行枚数が多いほど一枚当たりの値段が下がります。
さらに多くの人にコインが行き渡るため、取引の増加と分散化が見込まれます。
ビットコインダイヤモンドがスケーラビリティを向上したために可能となりました。
取引の匿名化
ビットコインダイヤモンドは匿名機能を追加する予定でしたが、現在は見直されているようです。
ビットコインとビットコインキャッシュとの比較
ビットコインダイヤモンドは、ビットコインとビットコインキャッシュの性能を掛け合わせたような性能を持っています。
ビットコイダイヤモンドの評価とまとめ
ビットコインダイヤモンドは、ビットコインキャッシュ、ビットコインゴールドに続いて3回目のハードフォークになります。
それぞれビットコインよりも使いやすくするためにハードフォークをしたわけですが、ビットコインダイヤモンドは、一枚当たりの価値を下げるため、発行枚数を増やす方法をとっています。
発行枚数が増えれば、多くのユーザーに行き渡ることになるので、取引量は増加します。
取引量の増加に対応するために、ブロック数の拡大とライトニングネットワーク及びセグウィットの実装を選びました。
一枚当たりの価値を下げた通貨の発行は、Vechainがメインネットローンチ時に、1VENを100VETに交換した事例があります。これは、少額決済に用いられることを想定して、小数点以下を出さないようにするためでした。
ビットコインダイヤモンドの評価は、これからビットコインダイヤモンドおよび仮想通貨全体がどのように扱われていくかで変わってくるでしょう・