リスクはイーサリアムやイオスと同じくDappsプラットフォームに分類されます。
コンセンサスアルゴリズムはDPoSを採用しており、承認権の独占の防止と、消費電力の削減が期待されます。
メインのブロックチェーンからサイドチェーンを派生させることで、独自の機能を持ったDappsを開発することができます。
仮想通貨大手レーティング3社からビットコイン、イーサリアム、イオスと並ぶ高評価を獲得しています。
リスクLSKの最新価格・チャート・基本情報
通貨単位 | LSK |
運用 | リスク財団 |
発行上限 | なし (300万ブロック生成で報酬減) |
承認アルゴリズム | DPoS |
リスクのコンセンサスアルゴリズムDPoS
リスクが採用しているDPoS(Delegated of Proof)は、承認者をユーザーの投票により選出するアルゴリズムです。
ユーザーは保有するトークン数に応じて付与される票で投票を行い、多くの票を集めたものが取引等の承認権を行使します。
トークンの大量保有が直接的に承認権の獲得へ結びつかないことで、トークンの大量保有のインセンティブを少なくし、PoSの課題である流動性の確保が期待されます。
また、PoWのように演算速度を競うわけではないので、消費電力を削減することができます。
リスクのスマートコントラクト
イーサリアムに実装されているスマートコントラクト機能がリスクにも実装されています。スマートコントラクトは、”契約を自動化”する機能です。
スマートコントラクトをプログラムに組み込むことで、本来仲介人が必要な作業を自動化することができ、高度なアプリケーションを開発することができます。
ブロックチェーンとスマートコントラクトを利用したアプリを分散管理型アプリ(Decentralised Apps,Dapps)と言います。
リスクのDapps
リスクはDappsプラットフォームであり、Dappsの開発が活発に行われることがリスクの発展に繋がります。
リスクは開発言語にJavaScryptoを採用しています。
JavaScryptoはブロックチェーン以外の開発にも使われている言語で、世界中で広く普及しています。
JavaScript(ジャバスクリプト)は、Web ブラウザに作業をさせるためのスクリプト言語です。スクリプト言語とは、プログラミング言語のうち、 プログラムの記述や実行を簡単にすることができる言語を指します。
JavaScryptoのプログラマーがリスクのDapps開発に流入すれば、リスクの大きな発展につながります。
リスクDappsはサイドチェーンにより独自機能を追加できる
リスクの特徴としてサイドチェーンによる独自機能の追加が挙げられます。
サイドチェーンとは、メインのブロックチェーンから互換性を保ったまま派生したチェーンです。
チェーンが完全に分離するハードフォークとは違い、メインチェーンと互換性を保っているので、通貨のスワップが可能です。
サイドチェーンの開発にはメインチェーンの合意は必要なく、独自に新機能を追加したり、性能を変更したりできます。
様々なユースケースに対応したチェーンを作ることで、スケーラビリティの問題を解消しています。
理論的には、PoSやPoWコンセンサスアルゴリズムのDappsを作る事が可能です。
また、サイドチェーンで取引処理を分担し、1つのチェーンにかかる負担を軽減する事ができます。
リスクはコミュニティ形成による開発支援に重点
リスクには様々なユーザーが関われるよう、レベルに応じて4つのコミュニティが存在します。
Lisk Coreーリスクネットワークの運営を行う中心的なコミュニティ
Lisk Elementー開発者向けのコミュニティ
Lisk Commanderー開発者の向けのコミュニティでテキストチャットが行える
Lisk Hubー一般向けのコミュニティで、技術的な知識がなくても情報共有できる
Lisk Academyというブロックチェーン技術の基礎を学べるサービスを提供しています。
リスク創立者Max Kordek氏
リスク総理者のMax Kordekは、大学で電子工学を学んだ後、仮想通貨プロジェクトCriptiに参加し、2016年にOliver Beddos氏と共にリスクを創立します。
リスク創立のきっかけは、ブロックチェーン技術の学習と開発支援をしたいと思った事だそうです。
リスクは前述のようにコミュニティをレベル別に整備する、学習サービスの提供など、開発環境の整備に注力しています。
リスクの将来性
昨年メインネット移行が行われ、本格的に開発環境が整い始めました。
サイドチェーンによるDapps開発の増加につながるリスク本体の開発が今後も期待されます。
Lisk Core1.0ローンチとメインネット移行
2018年8月29日にリスクがLiskCore1.0にアップデートし、メインネットに移行しました。
各ノードの通信性能向上や、拡張性を高めた新しいトランザクションフィールドを搭載するなど、各種性能が向上し、メインネット移行も問題なく行えた事で、リスク実用化に向けて大きく前進しました。
リスクとの提携企業
マイクロソフトが提供するクラウドサービスMicrosoft Azureと提携し開発を進めています。
また、取引所シェイプシフト、オンラインマーケティングを行うエキスパンションオンラインとも提携しています。
サイドチェーンプロジェクト
リスク最初のサイドチェーンプロジェクトMADANAが2018年9月にプレセールを開始しました。
MADANAはデータ分析市場における、テータ提供者、テータ解析者、解析プログラム提供者のエコシステムを提供します。
開発にイーサリアムではなくリスクを選んだ理由について、イーサリアムでは想定される作業負荷を制御できない、と述べています。
他のサイドチェーンプロジェクトとして不動産関連のBrickbit、教育関連のSapiensがあります。
大手仮想通貨レーティング3社から高評価
大手仮想通貨レーティング企業であるblokt,TokenInsight,DPRatingから、ビットコイン、イーサリアム、イオスと並ぶ高評価を獲得しました。
リスクの評価とまとめ
リスクの土俵であるDappsプラットフォームは、イーサリアムやイオス、ネオなど強力なプロジェクトが多く、シェア競争になる可能性があります。
リスクの特徴であるサイドチェーンを利用したDapps開発は、チェーン自体の設計から変更できるため、開発の幅が広く、スケーラビリティ問題も解消されます。
Dappsが続々とリリースされているイーサリアムとイオスとは差をつけられていますが、進行中のサイドチェーンプロジェクトが成功すれば、メインチェーンであるリスクの評価につながります。
JavaScryptoを採用している事もあり、開発環境が整えば急激に普及する可能性があります。