EOS(EOS/イオス)の概要と詳細・解説|理想の承認方式「DPoS」を採用したdAppsプラットフォーム

イオスは、dApps(分散型アプリケーション)のプラットフォーム及び通貨の名称です。

dAppsの価値はユーザー数で決まります。

イオスは、ユーザーにとって最大のメリットである手数料の無料と、イーサリアムをはるかに上回る高速な取引を実現しています。これらを可能にしているのが、コンセンサスアルゴリズム”DPoS”RAM/CPU/Networkを用いたデータ通信です。これらの機能はユーザ数の増加に応じて柔軟に変更できるよう設計されており、イオスがスケーラブルなブロックチェーンとして世界に注目されている最大の理由となっています。

イオスが構築する分散型アプリケーション(dApps)

イオスは、イーサリアムをはじめ数多く存在するdAppsプラットフォームの一つで、すでに400種類以上のdAppsが開発されています。

dApps内で行われている取引量ランキングではトップ10に7つランクインし、トップ50の半分以上がイオスDappsであることから多くのユーザーに利用されていることがわかります。

数あるdAppsプラットフォームの中でイオスが注目されるのは、システムのスケーラブルな変更が可能だからです。

スケーラビリティ(scalability)とは、利用者や仕事の増大に適応できる能力・度合いのこと。—Wikipediaより

イオスdAppsの開発チームは、スケーラビリティの変更に関与する権利を持つことができます。

これによりイオスは、Dappsプラットフォームとして最適なスケーラビリティを維持し続けることができます。

DPoS(Delegated Proof of Stake)とは

イオスのコンセンサスアルゴリズム「DPoS」は、トークンの保有数による選別方式「PoS」に、エコシステムへの貢献度を考慮した新しいアルゴリズムです。

選出された21のBP(Block Productor)が取引の承認作業を行い、報酬としてトークンが付与されます。PoWのように大勢が複雑な計算をする作業が必要ないため、取引速度が非常に早いのが特徴です。

イオスのユーザーは「BP(Block Productor)」「EOSトークン保有者(Voter)」「一般ユーザー(Consumer)」に3層に分けられます。

  • BPは、取引の承認や、スケーラビリティ変更の提案に関与できる権利を持つ者で、Voterにより選出されます。
  • EOSトークン保有者は、EOSトークンを使いBP選出に投票することができます。
  • 一般ユーザーは、イオスのブロックチェーンを利用するすべてのユーザーを指します。

BP(Block productor)

BPは、EOS保有者の投票により21チーム選出されます。BPの前提条件として、ブロックチェーンの開発を行うことができるチームとして運営されていることが必要です。BPは、開発にかかわる情報を開示しなければなりません。

EOSトークン保有者(Voter)

EOS保有者は、開示されたBP情報やチームプロジェクトの進行状況などから、承認作業を任せたいBPに投票を行います。投票は、トークンの保有数で投票できる票数が決まりますが、投票の積極性により票数にマイナス補正がかかります(Vote Decay)。

一般ユーザー(Consumer)

イオスのブロックチェーンを直接利用、また他のアプリケーションを介して間接的に利用しているすべてのユーザーです。イオスのアカウントを作成しEPSトークン保有することで、だれでもBPに投票することができます。

EOSトークン保有数とVoteDecayによる票数の算出

EOSトークン保有者が持つBP投票数は、EOSトークンの保有数と、前回投票時からの経過日数によるマイナス補正から算出されます。

まず、EOSトークン保有者は、アカウント内のEOSトークンを票数としてカウントするためにステーク(Stake)という処理を行います。

ステークとは、トークンを取引に使用しないと宣言することです。ステークするトークン数は自由に決められますが、ステークしないと票数としてカウントされません。

獲得した票数は、単一または複数のBPに投票することができます。複数のBPに投票する場合、票数が分割されるわけではなく、保有する票数がそれぞれのBPの得票数として加算されます。1アカウントにつき投票できるBPは30までです。

BPに投票された票数には、VoteDecayというマイナス補正が加わります。

VoteDecayは、イオスのエコシステムへの貢献度を票数に反映させるもので、前回投票に参加してから経過した日数によるマイナス補正値を票数に与えます。

BPは得票数ごとにランキングされ、上位21チームが承認作業を行うActiveBPになります。21位以下は、ActiveBPが承認処理を行えないなどの問題が生じた場合の代替として処理を行うStandbyBPとなります。

BPへの報酬

BPの報酬として、年間5%のインフレのうち1%が与えられます。21位以内のBPには0.25%が得票数に応じて分配され、21位以上を含めたすべてのBPに残りの0.75%が得票数に応じて分配されます。

イオス基本情報

通貨単位EOS
運営元Block.one
提案者Danial Larimer
発行上限10億EOS

現状、EOSトークン自体に特筆する機能はありません。EOSトークンは、ここまで説明した承認作業の報酬や、BP選出時の投票として用いられるほか、dApps開発リソースであるRAM/CPU・Networkとの交換に使われます。

開発リソースRAM/CPU・Networkと手数料無料の仕組みについて

RAMはイオスのブロックチェーンに保存できるデータ容量、CPU・Networkはデータをブロックチェーンに保存する際に一時的に消費するガス(燃料)のようなもので、一定時間経過で回復します。Dapps開発者は、開発リソースとしてRAM/CPU・Networkを確保しなければなりません。

RAMは、EOSトークンで購入しステークすることで使用可能となります。RAMは市場で売買されており、価格はBancor Productのアルゴリズムにより決定されてます。また、供給量は64GBが上限となっています。

CPU・Networkは、EOSトークンをステークすることで使用でき、ステーク解除することでEOSトークンに返還することができます。

手数料無料となる仕組みは、ブロックチェーンへのデータ送信のインフラをDapps開発側が確保することで成り立っています。

開発者Daniel Larimer氏について

 

EOS開発を手掛けるDaniel Larimer氏

 

イオス開発者であり、運営元であるBlock.oneのCTOを務めるダニエル・ラリマー(Daniel Larimer)氏は、ブロックチェーン業界で最も影響力を持つ技術者の一人です。コロラドに生まれ、バージニア工科大学でコンピュータサイエンスの工学学士を取得しました。

イオスの開発を手掛ける以前は、分散型SNS「Steemit」、分散型取引所「Bitshares」を開発しています。イオスとSteemit、BitsharesにはDPoSが採用されており、DPoSもダニエル・ラリマーが発明したアルゴリズムです。

また、ビットシェアーズの中でSmartCoinというドル価格にペッグしたコインを運用しており、早期にステーブルコインの必要性を見出しています。

人生の使命を「すべての人々の生命、自由、財産を守るフリーマーケットソリューションを見つけること」と掲げています。

イオスの評価とまとめ

イオスのエコシステムの核となるDPoSは、PoWやPoSの課題を克服できるポテンシャルを持った分散化アルゴリズムといえます。PoWとDPoSの各ノードのハッシュパワー割合を比較すると、PoW採用であるビットコインやイーサリアムは上位のノードによるハッシュが大半を占めており承認作業量に偏りが生じていますが、DPoS採用のスチームやビットシェアーズは、BPが均等に承認作業をおこなっています。BPには、ユーザーの投票により”イオスのエコシステムに貢献できる”チームが選出され、不正のない承認作業を行うことがDPoSの信頼となっています。

PoW,LPoS,DPoSでの各ノードのハッシュパワーの割合

しかし、イオスのメインネットは2018年6月にローンチしたばかりで、まだまだ不安定な要素が随所に見られます。

BP投票数の少なさ

イオスは、ネットワーク維持のために15%以上の投票率が必要であり、それを下回るとネットワークの存続が危機的状況に陥ります。2019年2月現在の投票率は25%程度と低く、投票率を上げなければ安定したネットワークを維持できなくなります。

EOSトークンのステークされたトークン数とBP投票数

加えて、投票率が少ないことによる選出操作が懸念されます。投票率が少なければ、少ない投票数でも全投票数の大半を占めることができます。特定のBPを選出させるためには大量のトークンを保有しなければならない、という抑制が効かなくなり、DPoSの信頼が崩壊する可能性があります。

EOSを大量保管する取引所の存在

EOSトークンを扱う大手取引所は、EOSトークン保有者からBP投票の委託を受け持つプロキシ投票を行っています。取引所で保管しているEOSトークンをBP投票にすることで、大量の票数を特定のBPに入れることができます。BP投票数を公開しているEOSAuthorityによると、bitfinexの投票が多く、自身が運営するBPへ投票していることがわかります。

また、EOSトークンの保有数をみると、bithumb、binance、okex、bitfinexの取引所が上位を占めています(※b1は運営元のアカウント)。仮に投票率を50%程度まで引き上げられたとしても、今以上に取引所の思惑が反映される可能性があります。

EOSトークン保有数割合

このように、DPoS及びイオスには課題点が多く存在します。このような課題を解決できるよう機能を改善していくことで、スケーラブルなブロックチェーンとしてのEOSの価値が認められるのではないでしょうか。

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